生涯(振り返ってみて)
僕は朝、出勤をして、(出勤中に買ったコンビニのサンドイッチを食べる。会社のウォーターサーバーでコンサータを流し込む)メールチェックをする。会議をし、指定された知らない原作の脚本化作業をする。ある程度出来たら帰宅する。帰宅して、学生時代から変わらない黄色いトップバリュのパスタを食べる。麺50gとたらこ味粉末半分、バター風味ソース半分。人目がないところでは僕の生活は変わらない。変わったことといえば皿及び箸を完全使い捨てのプラスチックのものにした、くらいのことだ。
そこから趣味の漫画制作に取り組む。大学時代の最後に何とか描き上げた作品はそこそこの出来だったが、商業誌に乗せるには内容が不向きすぎた。そこで、僕と編集者はなんとか連載出来ないか試行錯誤をする。連載を少し持ってみるが、何らかの齟齬があってすぐに終わった。そこで、今は一次創作同人誌をコミティアに持っていくことを趣味としている。ファンの獲得はついぞ出来ず、あまり売れないしフィードバックもとんでこない。仕事仲間が買ってくれる。なぜ買ってもらえるかについては、長年鍛えられた人間関係進行の勘から思考の埒外に吹き飛ばすことに成功している。
しかしそれでもある程度満足して、定年までそんな感じのなぁなぁ一次創作をした。享年76歳、面白みもなく肺がんで死亡。